TOMOLOG

こにゃにゃちわ

組織コンディションのスコアリングとその運用 ~wevoxを半年使ってみた~

イントロ

この記事は Engineering Manager Advent Calendar 2018 - Qiita の15日目の記事です。

EMをやっている@tomox1001です。
すっかり寒くなってきて、年の瀬を感じる今日このごろです。
みなさま、いかがお過ごしでしょうか。

ありがたいことに、今携わっているプロダクトが順調に成長しており、合わせて組織も拡大しております。

1年ほど前までは、EMである私が目標設定や1on1などのピープルマネジメントを全てのエンジニアを対象に行っていました。 が、このまま人数が増え続けると、EM1人が全員をマネジメントするやり方ではいつか破綻するぞという漠然とした危機感がありました。

また、プランナーやデザイナーなど、エンジニア以外の多様な職種が多く所属する組織で、エンジニア組織だけでなく組織全体で同じような課題を抱えていました。

そこで、ミドルマネジメント層を意図的に作り、立ち行かなくなるその前に育成・強化をはかることにしました。

そういった経緯の中、組織全体のマネジメントの質を向上させる手段のひとつとして、『wevox』というツールを組織に導入することにしました。

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今日は、このwevoxを導入・運用してみた感想を、簡単ではありますが書いていこうと思います。

(蛇足ですが、マネジメントスケールの課題に至るまでの様々な組織の歴史については、以下の資料にまとまっているので興味がある方はご覧下さい。)

wevoxとは?

公式HPにわかりやすく説明がまとまったものがあるので抜粋します。

wevoxは独自のサーベイを用いて組織の状態を可視化し、エンゲージメントにおけるマイナス要因を特定及び改善策を実施していく事で、組織改善のサイクルを生み出すサービスです。 働く人々の「エンゲージメント」が企業の成長に関与している事が立証されており、昨今世界中で注目を浴びています。 エンゲージメントを高める事で、働きがいや組織に対しての愛着心が増し、生産性が向上するだけでなく、リファーラル採用の促進、及び離職率の低下により、採用・育成コストを削減できます。

より詳細な情報については公式HPを参照下さい。 wevox.io

同じようなツールにモチベーションクラウドなどもありますが、定期的に実施するアンケートの時間が2~3分という気軽さに惹かれ、うちの組織ではwevoxを試してみることになりました。 www.motivation-cloud.com

まずは導入してみた

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wevox管理画面サンプル画像
公式から拝借した画像ですが、これがwevoxの管理画面のサンプル画像です。

wevoxから配信されるアンケートを元に職務自己成長健康 などの様々な観点で自組織のスコアが確認できます。また、設定次第で、所属チーム職種年代入社年、など多様な切り口でスコアをみることも可能です。

私たちの組織で最初に実施して出たスコアを見て、「このスコアがそもそも高いのか低いのかよく分からん」という状況になりました。しかし、wevoxの機能の中に、wevoxを利用している近しい業種の会社の平均スコアと比較できる"ベンチマークとの乖離"というチェック機能があることを知り、まずはそれを元に自分たちの組織の立ち位置を知ることができました。

結果、概ね平均以上のスコアで良好であるが、一部自己成長に対してスコアがベンチマークスコアより下回っているメンバーがいそうということが判明しました。

この課題設定を元に、(具体的な内容はここでは割愛しますが)目標設定の大幅な改善を全職種で行うことを決断しました。 その結果、改善施策を実施した翌月、自己成長のスコアが先月と比べて増加したため、自分たちが実施した施策の手応えを感じることができました。

これまで、漠然とメンバーから上がってくる意見や組織の雰囲気から課題を抽出し、なんとなく優先度を決めてアクションを決めていたものが、ある程度根拠がある状態で課題を見定めることが出来るようになったと実感しました。

本格的に運用しはじめた

このファーストアクションをきっかけに、

  1. メンバーからのアンケートを元にスコアを算出する。
  2. 過去スコアやベンチマーク比較を元に、マネージャー/リーダー層で議論を行う。
  3. 議論を元に、解決すべき課題に対するアクションを決め、実行する。

という、流れで約半年ほど運用を続けています。

このフローにおいて、"2."のリーダー層との議論が、イントロで書いた"ミドルマネジメント層の育成・強化"において重要だと感じています。なぜなら、議論を通じて各リーダーの意見を聞くことで、リーダーとしての立ち振る舞いや考え方をインプットすることが出来るからです。

議論の際は、「なぜ自分のチームがこのスコアなのか」という質問をリーダーに必ず問うようにしています。 リーダーがチームやメンバーと向き合っていれば、自分のチームのスコアについてある程度仮説を持って説明が出来るはずなので、それができない場合は例えチームのスコアが高くてもリーダーとしての職務を果たせているかは疑わしいと思っています。

また、スコアにあまり振り回されないようあくまで参考程度にする、ということも意識しています。

スコアが低くても、そこに妥当性があるケースもあると思います。

『スコアの低いチームのリーダー=マネジメントがうまくできていないリーダー』

と短絡的に決めつけず、スコアに対する説明に妥当性があるか、今の組織やプロジェクトのフェーズがどうかなど、多角的に判断をしています。

アウトロ

いかがでしたでしょうか。

他にも、マネジメントスケールの取り組みとして、1on1ロープレやリーダー陣による目標設定レビュー会など、様々な施策に挑戦中です。 みなさんも組織のマネジメントの育成・強化で試みていることがあればぜひ教えていただきたいです!

明日はtany3さんの記事ですね。お楽しみに!

※ wevoxの回し者ではありません。